「昭和後期に連載を開始した漫画家」という縛りを設けたなら、ほぼ間違いなくナンバーワンの知名度を誇るのは鳥山明さんでしょう。
作品連載当時、好きな漫画家を聞かれれば恐らくクラスの90%は「鳥山明」と答えたのではないかと思います。
2024年3月の突然の訃報には大きな衝撃も走りましたが、今回は鳥山明さんの年収について調べてみましょう。
目次
鳥山明の年収は14億8000万円
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漫画に関して強烈な負けず嫌いだった手塚治虫さんが唯一負けを認めた男と言われる鳥山明さん。
なんと2024年の年収は14億8000万円と言われています。
この金額は、メジャーリーグの人気選手にも匹敵する金額です。
連載持ちの漫画家というカテゴリーで見れば、平均年収が400万円ほどの世界において、この破格の年収は衝撃以外の何ものでもありませんね。
漫画界の大谷翔平とも言える鳥山明さんの年収について調べを進めます。
鳥山明の年収の内訳について
では、鳥山明さんの年収の内訳を見て行きます。
印税収入
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まずは、印税収入が挙げられますが、鳥山明さんの2024年の印税輸入は14億円ほどと算定しました。
漫画家の印税は、単行本の売上に対して出版社が支払う対価のことで、総売り上げに対して約10%ほどの印税と言われます。
「ドラゴンボール」シリーズは、2021年度に1276億円の売り上げがあったことがわかっています。
10%の印税で計算すると、127億円の印税が発生することになりますが、これをベースに考えましょう。
現在のドラゴンボールシリーズの漫画執筆は、鳥山明さんの後継者となっている漫画家のとよたろうさんが行っています。
印税収入が鳥山明さんととよたろうさんとで折半されるとしたら約63億ずつ。
しかし、ストーリーや漫画自体のコマ割り、展開のすべてをとよたろうさんが担当していることから配分は6割がとよたろうさん、4割が鳥山明さんと見ることもできますね。
そうすると、この段階で鳥山明さんの印税収入は25億ほどとなります。
世界各国で販売されている鳥山明さんの漫画ですから、2021年度の売上が、2019年のフランス芸術文化勲章シュバリエを受賞したことが作用したと考えると、2021年度はその影響で他の年度より印税輸入が多かった可能性もあるでしょう。
また、2021年度は新型コロナウイルスによるステイホームの影響で漫画をはじめとする娯楽関連商品の売れ行きが例年より良かったと見ることもできます。
これを踏まえて仮に、2024年の売上が2021年の売上の50~60%の売上推移だと仮定。
間を取って55%で計算すると、鳥山明さんの印税による年収は13.75億。
13.75億を四捨五入して鳥山明さんの印税収入を14億ほどと算定しました。
一般的な働き方の我々にとって、億を超えた金額は規模感を見失うものがありますね。
ロイヤリティ
画像出典元:いくらや
また、鳥山明さんの収入は漫画による印税だけではありません。
ゲーム「ドラゴンクエスト」などのキャラクターデザインなどを長きに渡って行っている鳥山明さんですから、関連商品の売上に応じて発生するロイヤリティもあるはずです。
ロイヤリティはゲームソフトの売上に対して3%~ほどと言われます。
大きな実績のある漫画家の鳥山明さんですから、ロイヤリティが5%だと仮定しましょう。
2023年に発売された「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」は約35万本の売上があったと言われます。
ゲームソフトが1本5,000円として35万本の売上があり、約175億円の売上に対して5%のロイヤリティが発生したとすると、約8750万円のロイヤリティ収入があったと仮定できますね。
先に紹介した印税収入を14億、ロイヤリティ収入が8750万円とすると2024年の鳥山明さんの年収は14億8750万円となり、冒頭で紹介した14億8000万円とほぼほぼイコールとなります。
あくまで推測の部分もありますが、これが鳥山明さんの2024年の年収の内訳とみることができました。
鳥山明の年収の推移
では、次に鳥山明さんの年収の推移を見てみましょう。
2006年までは高額納税者の番付が発表されていましたのでそのときの情報を掲載します。
毎年数億円~10数億円の年収があったことがわかりますね。
画像出典元:Tomoちんブログ
連載の開始や終了、アニメの放送開始や終了、ゲームソフトの発売などによって年収が前後します。
しかし、数億円の年収が継続していることは明らかですね。
恐らくは、このペースで2006年以降も数億円~10数億円の年収があったと思われます。
業界人に比べて鳥山明の年収が突出している理由
画像出典元:マネーポストweb
連載持ちの平均年収が400万円ほどの漫画家という職業。
鳥山明さんの年収が突出している理由を探りましょう。
結論から言えば、世界を股に掛けた大人気作品を生み出しだした漫画家であることがその理由です。
鳥山明さんの場合は、「ドクタースランプ」と「ドラゴンボール」という二本の超ヒット作品があります。
特筆すべきは、ヒット作が二本あることに加え、その両方がアニメ化されているという点と、「ドラゴンボール」が世界進出した点。
ドラゴンボールは複数本の映画化もなされていますので、その部分での収入もありますね。
漫画の原稿料だけでも、普通の漫画家の5倍以上はもらっていたでしょう。
また、鳥山明さんの連載が終了することで「週刊少年ジャンプ」の売上が大きく低下するという懸念から、作品の連載が長期化したという噂もあり、その過程で原稿料が伸びて行った背景もあると思われます。
また、細かいところで言えばアシスタントをほとんど使わずに背景や街並み、メカニックも自分の手で書いていた鳥山明さん。
漫画特有のスクリーントーンもほとんど使わないことから、経費が掛かっていなかったことも高年収や高利益に繋がったのかもしれませんね。
鳥山明の年収が爆上がりしたきっかけ
画像出典元:JB perss
鳥山明さんの年収が爆上がりしたきっかけも見て行きましょう。
何と言っても大きいターニングポイントは「ドクタースランプ」「ドラゴンボール」の大ヒットです。
大人から子供までが一緒に読める漫画を生み出した鳥山明さんの功績は計り知れませんね。
個人的には、「ドクタースランプ」というギャグ漫画での大ヒット、「ドラゴンボール」というバトル漫画でのヒットという二つのジャンルでの功績は、計り知れない才能の現れだと思います。
家庭内で、小学生の子供、高校生の子供、父親が週刊少年ジャンプの「ドラゴンボール」を回し読みしていた、という現象が起きていたことは周知の事実。
とりわけ、「シンプルに一番強いやつを競う天下一武道会」という公式の開発は、そのヒットに拍車をかけたと思います。
この展開以降、単行本やアニメの視聴率も爆上がりしたことは周知の事実。
1995年には、アニメ「ドラゴンボール」が世界80か国以上に進出し、単行本も同様に世界進出を果たします。
これにより、「年収の推移」で紹介した画像でもわかる通り、1995年の年収が大きく跳ね上がっています。
「漫画は子供のもの」という価値観や固定観念をぶち壊したイノベーションを起こした鳥山明さん。
その年収は、人気歌手や人気タレントをもしのぐものでした。
漫画界のスーパーサイヤ人といってもいい鳥山明さん、やばいです。
鳥山明のお金の使い道
では、そんな鳥山明さんのお金の使い道を見て行きましょう。
豪邸
画像出典元:しんらばんしょうログ
お金の使い道といえば、住居。
お金がある方のお金の使い道といえば豪邸。
鳥山明さんも、ご多聞に漏れず豪邸を所有しています。
どうやら、その豪邸は自宅兼仕事場となっており、「ドラゴンボール」の胴着をジャンプの巻頭カラーで描いたときに使われていたようなオレンジの外壁の目立つ家のようです。
漫画家の前はデザイン会社でデザイナーをしていた鳥山明さんの独自のセンスが光っています。
場所は鳥山明さんの出身地でもある愛知県清須市にあり、外観を上から見ると、鳥山明さんが自分を描いたときの自画像のようだ、と言われているそう。
画像出典元:しんらばんしょうログ
仕事場には、自分自身がメカマニアと語るように漫画に登場するバイクが置かれているなど、こだわりも詰まっていますね。
そして、華美な高級品を置かない庶民的な内装にも好感が持てます。
タバコ
画像出典元:日本パイプクラブ連盟
そして、タバコにもお金を使っているようです。
というのも、鳥山明さんは超がつくほどヘビースモーカーで有名で、ファンがプレゼントしてくれた「ギャルのパンティ」が黄色くなってしまうほどだそう。
1日3箱は当たり前で、連載時に自身の似顔絵などを挿絵として描いていた際には、タバコを吸っている姿も多くありましたね。
モデルガン・プラモデル
自らをメカマニアと語る鳥山明さん、実はモデルガンやプラモデルの大ファン。
自身の作品の中でも、銃やメカの描写には目を見張るものがありますね。
描くだけではなく、実際に作る方でも驚異の腕前のようです。
描いても作っても、これほどまでの能力を発揮する人間は世の中にそうそう多くはないでしょう。
以下の画像は、1986年に鳥山明さんが制作し、専門誌に取り上げられたものです。
手先の器用さもさることながら、空間認識や構造把握、機器類への深い愛着が感じられますね。
この作品の認知はかなり高くSNSでも語り草になっています。
鳥山明先生といえば
これはかなり衝撃的でした😲
当時30歳ですって💧 pic.twitter.com/KGKXFJ2k8f— 真生 (@maomorinaga) May 7, 2021
鳥山明先生といえば
これはかなり衝撃的でした😲
当時30歳ですって💧 pic.twitter.com/KGKXFJ2k8f— 真生 (@maomorinaga) May 7, 2021
1986年といえば、バリバリ「ドラゴンボール」を連載をしているころですが、プラモデルに時間を使う時間はどうしていたのでしょうか。
当時はほとんど寝ていなかった、という情報もあります。
寝る時間よりも趣味の時間からのインプットが作品の細部に生きているのでしょうね。
中には、数十万円もする高級プラモデルを所有していたりするという噂もあります。
これだけの年収であれば、高価なプラモデルやモデルガンを所有していても何の違和感もありません。
男の子にとっては、好きなものに好きなだけお金を費やせるなんて、至福の極みのようなものですね。
鳥山明の貯金額・資産
画像出典元:Redia
続いては、鳥山明さんの貯金額や資産について見て行きましょう。
ここまで書いた情報から推測しても、数十億円の貯金があってもおかしくない状況です。
ドラゴンボールだけで100億↑
画像出典元:中日新聞
空前の大ヒット作品となった「ドラゴンボール」、この作品だけで100億以上の収入があるらしいのです。
世界各国での総流通数は2億6000万部以上と言われており、仮に1冊につき38円の印税があるとすると、これだけで98億円以上。
アニメの原作料が1話10万円として、「ドラゴンボール」シリーズで累計5000万円以上の収入になるようです。
映画やグッズ、スポンサー収入などもあるでしょうから、「ドラゴンボール」シリーズだけでざっと100億円以上と言えるのですね。
Dr.スランプだけで12億↑
そして「ドクタースランプ」。
こちらでも12億円以上の収入になっています。
この作品は、鳥山明さんの初のヒット作品としてコミックスが3000万部以上流通しています。
「ドラゴンボール」同様に印税を38円(1冊380円の10%の印税)で計算すると、11億円以上。
アニメも500話以上あり、原作料は6000万円弱。
合計で12億円以上という計算です。
今のように、LINEスタンプなどのデジタルグッズも豊富な現代の作品ではない点を考慮すると1980年代の漫画でこれだけの収入を生み出していたことは奇跡的です。
バトルやライバルの存在もあってストーリーが展開するダイナミックな「ドラゴンボール」と違い、ペンギン村のお馴染みの住民が巻き起こすギャグ漫画という側面から考えると、「ドクタースランプ」の方がストーリーや作品としての面白さがある、という評価も聞きますね。
ドラゴンクエストだけで数億↑
そして、ドラゴンクエストだけで数億円の収入がある模様。
先ほども収入のところで少し触れましたがソフトの売上の数%が収入となるゲームソフト。
1本で数千万の収入があると考えると、シリーズ累計で数億円の収入があることに何の違和感もありませんね。
外国雑誌では5千万ドルと掲載(約75億円)
画像出典元:やらおん
ここまで紹介した収入を知ってか知らずか、海外の雑誌は鳥山明さんの資産を75億円と報じていました。
資産は、本人名義なのか、会社名義なのかなどの部分もあるので一概に言い切れない点もあるでしょう。
しかし、鳥山明さんほどの実績を考慮すると海外メディアからも注目を集める存在だということですよね。
法人は約200億円
画像出典元:X
法人名義では約200億円の資産があるという情報もありますね。
個人資産が75億円、法人資産が200億円、合わせて275億という資産であれば、「そのくらいあるでしょう」と思われる方も多いかもしれません。
金額の大きさもさることながら、本当に注目したいのはその金額の裏に一体何百億人のファンがいるのかということですよね。
鳥山明の莫大な遺産はどうなるのか
いずれにしても大きな資産のあった鳥山明さんが亡くなったことにより、その資産=遺産の行方が注目されるところです。
鳥山明さんには、妻、長男、長女、次女という4人の家族がいます。
順当に行って、この4者が相続するものと思われますね。
遺産相続においては、「配偶者と子供で半分、子供が複数いる場合は人数で案分」という原則があります。
そのため、遺産の半分は妻へ、子供たちは半分の遺産をさらに三分の一ずつ相続することになると思われますね。
しかし、相続税などの問題や相続放棄などの観点もありますので実際のところは家族のみぞ知る、というところでしょう。
鳥山明の年収に関しての世間の声
最後に鳥山明さんの年収に関しての世間の声をご紹介しましょう。
「ドラゴンボール」が終了して以降も年収が10億円強、という状況に同作品の人気やキャラクターの魅力が、いかに素晴らしいかがわかりますね。
画像出典元:X
先に紹介した長者番付による年収データをSNS上で拡散したファンもいました。
また、そのデータを既に確認した上で、賞賛する声も数多く投稿されています。
画像出典元:X
鳥山明さんの年収については、ファンにとってもそうでない方にとっても大きな関心事だったことが伺えます。
日本国内では、漫画というものを全世代が楽しめる娯楽に押し上げ、世界的にも愛される圧倒的な親近感と憧れを併せ持つ「孫悟空」をはじめとする圧倒的なキャラクターを生み出した鳥山明さん。
ストーリーや画力、構図、キャラクターの性格や役割に至るまで、後の漫画に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。
鳥山明さんが開拓したバトル漫画の土壌で、数々のヒット作品が生まれ、日本の漫画やアニメが世界的にも大きなマーケットになった事実。
この偉大な漫画家を輩出した日本や時代に誇りを持ちつつ、これからも鳥山漫画を読み続けていきたと思います。
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